相続放棄の失敗事例
相続放棄の失敗事例
父親が亡くなり、相続人は妻と子供2人でした。
父親は持ち家に妻と二人で住んでおり、500万円の預金と父親が受取人の生命保険金3000万円が相続財産でした。
子供たちも自立していましたので、話し合いの結果母親（妻）に全部遺産はあげようということになったのですが、その方法がトラブルの原因でした。
子供たちは、母親に遺産を全部あげるために相続放棄の方法をとってしまったのです。
確かに、場合によっては相続放棄をすることで放棄しない他の相続人に全部遺産を相続させることはできます。
今回の場合でいうと、他に相続人となり得る人がいなければ、子供たちは相続放棄してもよかったのです。
しかし、今回の場合にはそうではありませんでした。父親には兄弟が3人おり、これが大きなトラブルのもとでした。
法定相続人については民法に規定がありますが、相続が発生したときにまず相続人となる人は、配偶者（本件では妻2分の１）と子（本件では長男と次男）です。
子が全員相続放棄をした場合には、次の候補である「親」（本件では父親の両親）が相続人になり、親が既に亡くなっている場合には最後の候補である「兄弟姉妹」が相続人となるのです。
今回の場合には、父親の両親は既に亡くなっているため、長男と次男が相続を放棄したことにより、妻と父親の兄弟が相続人となるのです。
父親の兄弟は自分たちが相続人になったことを知ったとたん、遺産分割を要求してきました。
結局、父の兄弟の法定相続分の2000万円を生命保険金からまかなう羽目になってしまいました。
母親のためにわざわざ相続放棄の手続きをとったにも関わらず、全く異なる結果を生じさせてしまいました。
これも専門家に任せずに自分だけで相続放棄ができると判断して行動した結果です。
どんなカタチでも一度は専門家に相談してみると良いと思います。
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